【完成版】株式会社設立の手順まとめ【個人事業主→法人成り】

ビジネス

2019年3月から約1年間、フリーランスでマーケティングコンサルタントみたいな感じで何社か手伝わせていただく中で法人の方が庶務・手続き周りがスムーズだし自分で事業やりたいときに楽そうだなと思って2020年1月に法人設立をしました。

その際にいくつか文献調べては見たものの、やはり当事者にならないとわからないことも多かったので、今後法人設立をする際に同じ道を通る人への参考&備忘録として作業を残しておきます。

税理士へ相談する

まず最初に実施したのが「税理士への相談」です。ネット上でもいくつか参考になる記事はでてくるのですが、結局餅は餅屋ということで専門家に聞きました。結果としては正解だったと思います。

相談する際に重視していたのは、

  • IT関係に詳しいか?(業務がIT/Webなので話が通じるところがよかった)
  • 連絡手段が電話ではなくメール/Slackなどオンライン対応できるか?(仕事上、Slackがコミュニケーションツールの主軸だったので、Slackで連絡できるところがいいなと思ってました)
    • 明瞭会計か?(これは相談したときに見積もりもらえるかで判断していました)

あたりです。IT業界で先に立ち上げていた知人の人に紹介してもらった「明治通り税理士法人」に初めて相談をさせてもらいましたが、「Slackで連絡・相談可能」「freeeで確定申告対応可能」「高すぎない(相場より少し安い)」というところで、親身にも相談に乗ってもらえたのでここに決めました。

そもそも税金対策で法人化を考えている人は「所得税と法人税・社会保険料など考えたときにどちらがいいか?」など細かいところも気になると思いますので、一度税理士の方へ相談してみるのをおすすめします。

会社名(法人名)を決める

まず最初にやることが「法人名を決める」ですがこれが意外と時間かかります。設立するぞ!というタイミングで思いつくものでもないので、普段から考えておくことを進めます。

実際にこんな感じで色々書き出したり、友人に相談したりしながら最後は「自分がしっくりくるか?」で決めました。テーマは決まったのですが、「人に話したときに自分が恥ずかしがらずにしゃべれるか?(名前だけでなく理由も)」は1ヶ月くらい悩みました。

上記とは別ですが「設立予定のコーポレートサイトのドメインが取得可能かどうか」もこの段階で調べておくとこの後のサイト設立時にスムーズになります。調べるのはお名前.comで十分です。(最初「Grow株式会社」にしようと思って調べた結果、全然取れないので複数形の「Growers」にしたらしっくり来たしドメインも取得できた、という背景もあります。)

法人印鑑の作成(なければ個人の実印も)

法人名が決まったら次は会社用の法人印鑑の作成を進めます。これがないと法人設立の書類を提出できないのですが、印鑑は発注して納品されるまで数日かかるためこの段階で早めに発注が推奨です。

私は「はんこ屋LOHAS」というサービスの「角印」「実印(代表者印)」「銀行印」の3本セットを購入いたしました。値段も4000円以下で安く、3営業日くらいで届くということでWeb上から発注しました。

もし、個人の実印がない場合はあわせてこのタイミングで作成しておくと良いと思います。シャチハタでなければなんでもいいですが、正式な書類に使うのである程度しっかりしたものが推奨です。

法人設立サイトへ登録

法人設立は書類でもできるのですが、自分はオンラインで完結させたいので「電子定款」を選びました。

サービスは最近だと「会社設立freee」が認知度も上がって使いやすいという話も聞きましたが、私は税理士に聞いた「ひとりでできるもん」で設立をしました。値段が少し安い(freeeは5,000円、ひとできは3,500円)ので選びましたが、どちらもシステムとして変わらないので設立しやすいほうで作るのがいいと思います。

資本金と株式数と発行可能株式総数決定

このあたりから検索しても答えがわからない領域になるので、税理士に相談しながら進めました。結果、「資本金:500万円」「1株:1万円」で設立しました。

資本金1円で株式会社を設立することは可能ですが、資本金が少なすぎると法人口座の審査や融資の際に不利になったりするようなので、資本金に関しては一定金額まとまった額(300万や500万)を入れるのが一般的らしいです。

株式会社の資本金はいくらぐらいにすればよい?検討すべき事項を解説

株式数(と一株の価額)に関しては、将来的な資金調達等を考慮すると、1株の価額が大きすぎると色々面倒があるようなので、「1株の価額 = 1万円」にしておくと、誰が何株持っているか分かりやすい&無難なようです。(資本金が500万円だと株式数は500になります)

1株当たりの金額は展開を視野に検討しましょう

発行可能株式総数に関しては、最初の株式数の約10倍程度に設定しておくケースが多いようです。(株式数が500なら発行可能株式総数は5,000)

発行可能株式総数とは?

事業内容決める

定款に記載する事業内容を決定します。(会社のホームページとかでよく見かける「インターネットのホームページの企画及び制作」とかのことですね)

事業内容に記載する項目を変更しようとすると定款変更手続きが必要になってちょっと面倒なようなので、会社の事業とする予定のものは全て記載しておいた方が良いようです。

事業目的の書き方完全まとめ 許認可・融資etc.から考える、8つのルール

実際に記述する事業内容に関しては、下記のサービスが便利です。(例えば「インターネット」で検索すると、実際の定款で使われた事業内容の事例から「インターネット」という文字列を含む事業を抽出して一覧表示してくれます)

インターネットで会社目的検索(定款・登記記載目的事例検索サービス)

私は下記のようにしましたが、実施予定の事業に合わせて作成するのがよさそうです。

1.IT及びインターネットビジネスに関するコンサルティング
2.インターネット、その他の通信を利用した各種情報提供サービス
3.上記各号に附帯関連する一切の事業

事業の目的

決算期(決算月)の決定

決算期は特に決まりはないのですが、3月を決算月にしている企業が多い印象です。いつにしても良い決まりですが、「消費税の免税期間」が有効活用できるようにするのがいいそうです。

例えば会社設立月が1月ならば、その一月前の12月を決算月にすると免税期間を最も有効に活用できるようなので、年間を通じて特に繁忙期がないようであれば、この方式が無難なのではないでしょうか。もし繁忙期が決算月とかぶると忙しくなってしまうため、ずらすのを推奨されています。

公告の方法を決定

株式会社の場合、毎年の決算等を公開する(公告する)義務があり、定款に公告の方法を記載する必要があります。

公告の方法についてはいくつかあるようですが、コストがかからない「freee電子公告」を選択いたしました。

個人の印鑑証明書作成

定款を申請する際に個人の印鑑証明書が必要になります。

住民票がある市役所・区役所で発行することができますが、東京だと出張所が各所にあるのでそこでも発行できます。自分は恵比寿駅前出張所で作成しました。

出張所・区民サービスセンター

定款の作成と認証

定款を作成していきますが、電子定款を使用すると収入印紙代の4万円が不要になりますので、多くの方が電子定款がオススメです。

自分で電子定款を作ろうとするとかなり大変ですが、「ひとりでできるもん」の場合は、ここまでに入力した情報を元にして定款が自動的に作成されて、行政書士の方に電子署名や定款認証のオンライン申請等も全て代行してもらえるので私はこの方法を選択しました。

公証役場で定款の認証

綴じた委任状と定款、空のCD-R、本人確認書類や実印や印鑑証明書を持って公証役場に出向き、認証済みの定款を入手します。「ひとりでできるもん」では公証役場への訪問日時も予約できます。

ちなみに公証役場は名前ではなく、場所を調べて予約するのを推奨します。渋谷在住ですが、「渋谷公証役場」よりも「目黒公証役場」のほうが近かったのでそちらで認証を済ませました。

あと、ここで用意に困ったのが「CD」でコンビニにも売っていなくて困りました。(30分くらい探し回りました)結果、百均で手に入って一段落しました。

出資金の入金とコピー作成

出資金(資本金)の入金と、法務局への登記の際に必要になる「通帳のコピー」を作成します。オンライン上での入出金明細のコピーでも可能なようですが、通帳の方が確実なようなので、銀行に行って振込手続きをしたあとにコピーを取りました。

法務局に登記書類を提出

法務局に登記書類を提出します。必要な持ち物のリストなどは「ひとりでできるもん」がチェックリストでまとめてくれているのでそれを参考にしました。

株式会社の場合は登録免許税として15万円が必要で、無事に法務局に登記書類を提出した日が「会社設立日」となります。

法人登録・番号の確認

無事に法人登記が完了すると、数週間で郵送で「法人番号指定通知書」が郵送で届きます。

こちらの「国税庁法人番号公表サイト」からも確認することができます。

ここまでが法人設立の流れでした。お疲れさまです。

このあとは「法人口座開設」「法人サイト設立」などがありますが、長くなってしまうので別の記事に書きます。

起業時におすすめの書籍

いろいろと読んだ中でも法人設立する前(創業前後)に読むべき本も紹介しておきます。

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